
Artist's commentary
弧悦同舟
居合わせの妙を肴に散る花を愛でれば、
張り詰める弦もまた、
奇縁を笑う調べを奏でるには丁度良い。
「“はらわた”も煮るだけじゃ何にもならねぇが、
仕事次第で珍味にゃなるだろうよ、うるかのように。
なら因果ってのも向き合い方によっちゃ、な」
「僕としては甘味を所望したいところだが……
せめて、苦さばかりが立って、
この景色の粋が損なわれないことを願うよ」
「神は慈悲深くもあるが、大層いたずら好きでもある。
翻弄されるのが人の[#性:さが]というものだが、
ときにはこうして清流に身を任せるのもまた、
人生の嗜みというものではないかな、諸君」
どの口がいうのか―――
などという合いの手は、杯を傾け喉の奥。
代わりに船縁を少しばかり、川が叩いた。