風雪に身をよじる葉すら手放した古木が如く。歩む倫(みち)を失いながら、男はしかし、望むものも無くそこに座す。
街の報せが、時雨のように背を揺する。されどそれは胸中に蛇影を見せるには至らず。乾いた心に芽吹くものには、気付かぬまま。