
Artist's commentary
それは光の片隅で
目を背けて無視するほどの強かさはない。
かといって競争相手を目指すほどの自惚れもない。
諦めが悪いのか、
自分という器の限界を知りたくないのか。
逃げ出す事も戦う事もできない自分が、
みっともなくてたまらない。
「ん? そう腐るなよカドック。
天才に劣等感を持てるのも才能だ。
残酷な現実を見ていながら、まっとうにやる気を持て
るなんざ、まさに凡人の才能だ。
みっともない? まさか。そりゃしつこいって言うん
だ。天才なんぞよりそっちの方が生き延びるもんさ。
仕事柄、イヤというほど見てきたからな!」
陽気に語る自称・兄貴分のお喋りが、
この日だけは胸に響いた。
そうだ。
誰しもに知れ渡る才や肩書や結果がなかろうと。
誇るものがなくても、だからといって腐る必要もない。
自分は自分にしかなれない。
どれほど場違いでも最期まで足掻いてやるとも。