月に穿たれた、虚構の世界。そこでの日々に間もなく幕が降りる。
最後の撃鉄がゆっくりと落ちていくような緊迫感は、平穏の足音を、いまだ遠ざけるばかり。
それでも少年は決意を胸に、頂を目指す。―――己が何者かもわからぬまま。