Artist's commentary
黄金のきみ、代わり亡きあなた。
『異世界迷宮の最深部を目指そう16巻/割内タリサ先生著』がオーバーラップ文庫から本日発売です!
「小説家になろう」で連載中の小説です。こちらは無料でご覧頂けます。▼http://ncode.syosetu.com/n0089bk/▼コミカライズ第4巻と同時発売となっております!
【コミカライズ連載ページ】
コミックガルド
▼https://comic-gardo.com/episode/10834108156668670658▼
ニコニコ静画
▼https://seiga.nicovideo.jp/comic/45733
【小説店舗特典】
▼http://blog.over-lap.co.jp/tokuten_ibusou16/▼
また、16巻発売を記念して、これまでのカバーイラストを使用した『A5キャラファイングラフ』を制作していただくことになりました!
アンケート上位3位までが商品化されるそうなので、よろしければぜひ投票をよろしくお願いいたします。
▼https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd6yAaE9CLIh2TddRe3NUpu6Dwak18wkHoWZBWk5894_uqZkw/viewform▼
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以下反転でイラスト注釈がご覧頂けます。
今巻の重要なネタバレが大量にありますので、読後推奨です。
◆下記に色々書いてありますが、「代わりに死を負って死ぬけれど、渦波の中で生き続ける。」に集約されます。
生と死の反転要素を全体に盛り込んでいる感じです。(反転はラグネも彷彿とさせるので)
◆割内先生から頂いた「産声あげるウェディングノスフィーを抱っこ (お姫様だっこ?)するカナミ」いう案が元です(実は9巻でもウェディングノスフィー案がありました。その名残の棚にしまっていたドレスです。表情も対照的に)。
頂上の宝空や魔法《ライト》、フーズヤーズの城下を背景に、ウェディングドレス(ヴェールをベビードレスっぽく)を纏うノスフィーを、新郎が新婦を抱き上げるような/赤ん坊を高い高いするような、天に還すような/引き留めるような感じで持ち上げる渦波の図です。
互いが互いに生きてと手を伸ばしていますが、カナミが伸ばした手はノスフィーを死(上。天国)へ追いやります。
◆魂の在り様を表すのにもちょうどいいかなと。渦波だけが地に足をつけていて、その渦波の魂にノスフィーの魂が乗っているような。
結婚式は二人が一緒になる(魂の同化)のイメージもあるので。
◆ノスフィーにはほとんど重さを持たせず、赤ん坊(生まれたて)もしくは魂(死にたて)の体重くらいの重力感です。生没同日を表したく。
◆9巻のセピアに色を寄せて黄金色の空。表紙としては褒められないかもしれませんが、ノスフィーの詠唱の連想からあえて捕色などは入れずに単色で。
◆上からカナミに差す光(天国からの光)をノスフィーが遮り渦波の顔をノスフィーの影の中に。死を肩代わりする暗喩です。
ノスフィーの流す涙が渦波の頬に落ちているのも、お伽噺によく出てくる乙女の涙=蘇生や呪いを解くイメージです。産声でもあります。
◆花言葉は9巻と同じスズラン「あなたの死(=生)を望みます」を渦波の胸元に、白いカーネーション「尊敬、無垢で深い愛、純粋な愛、私の愛は生きています」をヴァージンロードの両側に。
前巻表紙のラグネ(赤いカーネーション)との共通点もあり面白いかなと(白いカーネーションは母への哀悼の意もあるそうなので、ママへの思いに決着をつけたラグネのイメージでもあります)。
◆ヴァージンロードは、一般に父親と歩くので親子を表すのにいいモチーフかなと。
渦波の服装は一般に新婦の父親の衣装であるモーニングです。
花嫁の今までの人生を表すらしいので血の足跡とか血痕とか描きたくなりましたが我慢しました。
鏡面になっているのも、前巻の上下逆さまの表紙(渦波とラグネの鏡の性質や二人の関係性)や反転要素です。
◆三つ編みの花飾りは最期の場面からティティーリスペクト。
◆死や身代わり、愛、希望、復活、神聖等の象徴とされる十字架をこう…web版主人公名と合わせて、あからさまにならない程度にカーネーションや花びらで画面の角を埋めることによって画面全体に再現したかったのですが…
技量不足でノスフィーのドレスの飾りにあしらうに留まりました。