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Artist's commentary
96 コラテラル ブロウ
追い詰められた アセビ。
セイガイは なお 刀は抜かず、説得を続ける。
その時である。
ヒステリックに身をわななかせるアセビから 今まで以上の殺気が放出される!
「わあああああああああ…ッ!!」
衛星のように彼女を取り巻く アメジストのような鉱石が出現し 禍々しい光の奔流が暴れ出る。
全身全霊。後の事は考えない 全開のパワージェムが数十発 セイガイを撃ち抜いた。
これまで 冷静さを保っていたゴリランダーが 初めて顔色を失う。
経験豊富な彼には “ 今の攻撃は 一発でも当たったら命は無い ”ことが 分かっていたからだ。
セイガイの “ 死 ” を確信したのだ。
ボロの手をふりほどき、末っ子がセイガイに駆け寄る。
「おいたん⁉わ~~ん おいたんのツノが…おててが…おきてよ おいたん!!」
すぐに 末っ子を連れ戻そうと ボロも駆け寄る。
むくり
滝のような流血をしたたらせながら、セイガイが起き上がる。
アセビを含め 全員が呆気にとられた。
そして、セイガイは 落ち着きとも少し違う 重く 腹の据わったトーンで一言 もらす。
「あぁ…すべて 思い出した…」