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Artist's commentary
65 充ちて、満ちて。
「おーい…メッソンの きょうだいたち~!」
聞き覚えのある声、振り返るまでもなく “あの子”と分かる。
「バモラくん!」
強く 抱擁を交わす。バモラは とても驚いた。
「え!…おまえ ボロ君か?進化したのか⁉あんなホワホワしてたメッソンだったのに」
ボロは あれから色々あった事を言いかけたが、バモラは納得してこう結んだ。
「でも 不思議じゃないな。ボロ君は一番よわそうだったけど、一番やさしいヤツだからな!」
バモラのお土産に 一同は救われた。ポケモンフーズなる未知の美食にメッソンたちは舌鼓を打つ。
「バモラくんはホントにたくさん おいしいものを しっているんだなぁ!」
「シティボーイはグルメじゃなきゃ 女の子にモテないからな ♪」
久しぶりに 池に笑い声が響く。友情に 心は充ち、差し入れに 腹も満ちた。
ちょっとした宴会もそこそこに 話題は嵐の事に及ぶ。この状態の池を見れば、メッソンたちの
たどたどしい説明でも 凄まじさは十分 伝わった。
住む所と食べる物、生きていくうえで不可欠なものがピンチの現状…。
また暗くなりかけた空気を バモラが飛び跳ね切り裂いた。
「だったら探そーぜ!新しい家とエサ場をさ!」