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Artist's commentary
1985
1985年、全日本ラリー選手権。
この年の注目のひとつは神岡選手のドライブした日産・フェアレディZ(300ZX)である。
大柄でラリー競技には不向きとみられていたが、安定した走りで自身二度目の年間王座に輝いた。
ツイスティな場面ではAE86に敵わないものの、その不利を補って余りあるパワーがZにはあった。と本人は語っている。
現代の感覚で考えると大きな後輪駆動車が活躍したというのは驚きだが、その年アドバンカラーの三菱・スタリオン(2000GSR-V)も有力ドライバーを揃えて参戦しているのだからなお興味深い。
そのスタリオンという選択はRACラリーへの参戦を見据えてとの事であるが、チャンピオンの山内選手の他、大庭選手、羽豆選手がドライブした。
この頃、日本のラリーシーンで四輪駆動車といえばレオーネやコルディア。
これらは100馬力台前半の出力に、センターデフを持たない四輪駆動システムと、ラリーカーとしてはいかにもパフォーマンス不足だった。
だが翌`86年は(まだフルタイム4WDではない)レオーネの綾部選手が年間チャンピオン。
また、国産初のフルタイム4WD車、マツダ・ファミリア4WDなどの登場('85年)で時勢は四輪駆動車の天下となっていき、2WD部門が設けられた後もラリーカーの主役はFF車であった。
FR時代の最後を飾ったのがこんな車種であったというのは面白いものである。