生まれたときから、人生の選択権はなかった。
一族の繁栄と血筋を繋ぐための一生。そこに疑問の余地はなく、心に隙間はないと思っていた。
しかし、出会ってしまった。それが魅了の呪いだとしても、燃え上がった心は止められない。
仄暗い恋情とともに偽りの誓いを立て、女は一歩を踏み出す。