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Artist's commentary
愛って何だろう?
「志保、愛って何だろう?」
「はあ? 正気ですか?」
「いや、ただ...。来年のバレンタインデーあたりの定期公演で発表するラブソングを作曲家さんに発注しようとするけど、俺も愛を歌にこめるイメージがなくって」
「ああ、どうでしょうか··· 私より大人のプロデューサーさんの方がもっとよく知っておくべきではないですか?」
「でも、三人寄れば文殊の知恵だと言うし、そしてアイドルが出したアイデアで曲を発注するなら、それもまた意味があると思ったよ」
「それでは… あ、この前私のセンターの定期公演の時、プロデューサーさん、休日だったのにこっそりシアターにいらっしゃったんでしょう?」
「...誰にも言わなかったが··· どうして分かった?」
「ステージで歌っている途中、 観客の中からプロデューサーさんが すぐに見えたんですけど」
「なるべく他のファンと合わせて着てきたんだけど… 足りなかったかな…」
「その... 私が子供の頃の話なんですけど、学芸会の演劇で私がお姫様の役をやったことがあるんです。 その時はすごく緊張して何も見えなかったんです。 でも、観客を見ながら独白するシーンがちょっとあったんですけど、その時に観客席を見ると、そのたくさんの人の中でもお父さんがすぐ見えたんです。」
「えー...」
「そういうのが愛だと私は思います。 あっ、時間になったので...それじゃあ私はそろそろレッスン行きますね」
プロデューサーは志保の無表情だが挑発的なこたえにそのまま凍りつき、平然とレッスンを受けに行く志保の後ろを眺めるだけだった。
チュパカブラPさんの作文です