何処にでも行ける何処かを、知ろうとしてはいけない。いま何を考えているのか、想像するのもやめた方がいい。ただ寛いでいるように見えて、その眼差しは何もかも見抜く。彼女は掌の上にすべてを収め、知れるがゆえに、何もしない時間こそが最も贅沢なひと時。「ところで、ここで何を求めているのかしら?」