故郷を抜け出した僕らは船を見繕い、でこぼこした住宅街を彷徨っていた。活気に溢れていて騒がしく、暖かく、いつも楽しげなこの街は、見ようによっては統一感すら感じるのだった。
漕ぐのも疲れたし、このまま街を抜けるまで身を任せていようかな。