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Artist's commentary
やっと君に会えたね
それは一目惚れだった。
レースを見始めてすぐの頃に行われた天皇賞・春。
阪神芝3200というタフなコースを白いシャドーロールを揺らしながら懸命に走る君の姿から目が離せなかった。
結果は3着。これは後で知ったことだったが、カレンブーケドールの3着は1955年セカイイチの2着以来66年振りの複勝圏内だった。
それからこの娘の蹄跡を辿った。デビューから一貫して掲示板を外さない堅実な走り、オークストライアルスイートピーSを出遅れながら外外を捲って快勝し樫の女王を決める舞台へのチケットを手にした。本番は11番人気の低評価を覆し直線で1度は先頭に立つも後に3ヶ国での戴冠を果たすラヴズオンリーユーに外から強襲され、ハナ差の2着に涙を飲んだ。秋以降も王道路線を歩み続け常に善戦するも勝ち切れない日々が続いた。天皇賞・春3着の後は宝塚記念4着で春シーズンを終え、秋はジャパンカップを大目標に天皇賞・秋から始動。しかし、ここまで堅実な走りを見せてきたカレンブーケドールだが、この天皇賞・秋は自身初の着外となる11着に沈んだ。その後、ジャパンカップへ向かう予定だったが脚部不安によりこれを回避、そのままターフを去った。
いつも懸命に走る君が最後まで手にすることが叶わなかった黄金の花束。
その栄誉を今度こそ貴女に。