![albert faulkner (pixiv fantasia and 1 more) drawn by shima108](https://cdn.donmai.us/sample/f0/bb/sample-f0bb15ef85b2b73a37d2ee05831f92db.jpg)
Artist's commentary
【PFSOZ】Ball In Hand
エイス・イスリアドは手詰まりだった。正直なところ、どの球を狙えば良いのかもわからない。どの色の球を狙うにしても、邪魔な球があるのだ。
彼は撞球台の前で途方に暮れかけたが、自分には奥の手があることを思い出した。
そう、友人である。
「リーブラ、この場合どうしたらいいと思う?」
彼がさりげない調子で尋ねると、リーブラはつられて答えようとする。
「ああ、それはな——」
「おいやめろ、2対1の勝負になるじゃねえか」
アルバートがそれを遮って、しかめ面をした。
「すまない、つい癖で」
エイスが軽く謝罪すると、彼はため息をついて言った。
「ちゃっかりしてんな本当……」
「それはそうと、君がアヴォンス侯と別行動をとるとは意外だな」
露骨に話題を変えても、アルバートはただ少し呆れた表情をしただけで、怒りはしなかった。もう一つため息をついただけだった。
「親父が惚れてた女の面子を潰さない為に、俺も多少は働くつもりってだけだ」手に持ったグラスを揺らして、「だいたいいつも親父に引っ付いてるわけじゃねえよ」
「君が力を貸してくれるのは嬉しいが……息子としては、言い方をもう少しこう……」
イスリアドにとって母である女性を、彼があまりよく思っていないらしいということは、以前から知っている。だが、仮にもこの国の女王だったのだ。
「陛下の御威光と、父に賜りし仁徳の為、我が身を粉にして殿下にお仕えいたします」
アルバートがグラスをテーブルに置き、恭しく礼をする。
違和感が凄い。リーブラの方を見ると、唇を噛んで噴き出すのを堪えていた。
「すまない、いつも通り喋ってくれ」
非常に不本意ながら、エイスは二度目の謝罪をした。
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撞球室的なところでスヌーカーっぽい遊びをしているということにしてください。
あとマントは外してるということで…
開幕前から推し(女王)が退場済みという異例の事態なんですが、めげずに推しの息子を応援していきたいです。
※このイラストと小話は、31日0時の会話更新より前に投稿されたものです。(お察しください)
◾️アルバート・フォークナー pixiv #102015015 »