Artist's commentary
【PFLS】流転の灯火
戦いは、残酷だね。
これまで数十年と積み重ねて、沢山の物語を作って来た命達が、塵芥のように一瞬にして散って行く。
途方もない数の生命と、その生きた証が無に帰していく。
悔しいかも知れない。
苦しいかも知れない。
悲しいかも知れない。
きっと、志半ばで斃れた君達は、世界を恨みながら消えて行くのだろうね。
……僕は、『僕達』は、それが堪らなく遣る瀬無いんだ。
だから────だから、君達の生きた証は僕が残そう。
君達が歩いてきた道は、此処で途切れるものではないのだと『僕達』が証そう。
君達の屍は、世界をより遠くへと運ぶ翼になるのだと示そう。
彼が護った幼子は、きっとその背に憧れていつか剣をとるだろう。
彼女が護った身重の女性は、きっと自分の意思を貫ける強い子を産むだろう。
『僕達』は君達に代わって、その物語を、貴方の繋いだ世界の行末を見守っていよう。
だから今は、少しだけ休むと良い。
そうしたら……この世界に、もう一度産まれておいで。
僕はそれまで、今暫く君達の旅の土産話に付き合うとしよう。
……そうして、その旅がまた終わる頃に、また僕に聞かせてくれるよね。
君の人生の物語を。
それが、僕が世界と交わした約束────"白紙の語部"の役割だから。
……ん?
ああ、そうだね。
自分の都合で他人の命を奪い、それでもなお足を止めない彼女は、自らの命が奪われることも許容して誰かの命を奪う彼女は、誰よりも「生きて」いるように見えたよ。
彼女はその物語の結末までに、一体どこまで歩けるのだろうね……。
あはは、君も気になる?
へぇ、そう。
君が望むなら、もう少しだけ覗いていても良いんだよ?
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「君達、英雄が築く屍の山は、きっと僕とダーレストが世界へ還すよ。
だから、君達はその命の限り走り続けて、少しでも遠くまでこの世界を運んでおくれ。
『僕達』は、君達のそんな歩みを見守るのが、とても楽しみなんだ」
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【企画】pixivファンタジア Last Saga:pixiv #72934234 »
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■肆獣のアデラ:pixiv #72938717 »
■クリア・ウェンデル:pixiv #72939405 »
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剣と魔法の幻想世界(ファンタジア)のはじまり、はじまり。
クリア・ウェンデルはきっと、人が最も見たくないものを突きつけて行く事になると思いますのでテレビをつけて部屋を明るくして現実から離れて心がしんどい人はキャプションから目を離して見てください。