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Artist's commentary
壊し屋るりま
「喧嘩するならアイツを呼びな。暴れ玉風、旅する狂剣。」
流派「淫豪流」。殺人剣である、かの特殊な剣術は、師範である「咲悪樓 峰龍‐さあくる ぽろん‐」とその弟子にして継承者の7人のみが使い手であった。
しかし「淫豪流」には弟子にも伝えられていなかった、恐るべき奥義を書き記した7冊の「淫豪の書」が存在した。それを知った6人の弟子はさらなる力を欲して師範に「淫豪の書」を求めるが、その恐ろしさを知る師範に「知るべきでは無い」と咎められる。怒りを顕にした6人の弟子はついには師範を殺し、封じられていた6冊をそれぞれが持ち、道場を去った。
偶然にもその日遅れて道場に顔を出したもう1人の弟子「るりま」は、その惨状を目にして他の6人の弟子に復讐を誓った。捨て子であった自分を育て、剣士に鍛え上げてくれた師範の無念を晴らす為、奪われた「淫豪の書」を取り戻す為に、師範が常日頃懐に隠し持っていた最後の1冊を手にして道場を飛び出した。
峰龍師範の知り合いのつてを辿り、流派「御満光壊流」の師範「佳長‐かちょう‐」に会い、峰龍師範の身と道場に起きた惨劇を伝える。佳長師範は復讐に燃えて強さを欲するるりまに、「壊す」事を極意とする「御満光壊流」を教える。新たな剣を身につけたるりまは、復讐を果たすため、6人の弟子達を探す長い長い旅へ出る…。
「喧嘩するならアイツを呼びな。」
強きを挫いて弱きを助ける、風の如くの旅の剣。
ひとたび刀を抜いたなら、大立ち回りの暴れ剣舞。
辺りたちまち崩れて壊れて、去った後には紅襖(あかぶすま)。
台風一過の流浪人、人を尋ねて今日も征く。