Artist's commentary
迎えに行くよ
「やめろ…リラン……お前も…」
「ズラン!そこにいて!今行くから!」
機体から、エネルギーが形となって溢れ出す。耳と尻尾のようなエネルギーを纏った姿となりそして―
大地を蹴って、翔んだ。
―――
「とんだ悪戯狐ですね全く」
「なんか上手くやられそうなんすけど、止めに行くっすか?」
「構いませんよ、ただのデータ取りです」
「でも生きてたら説得されるっすよ。向こうに渡ったらこっちの事がバレる可能性が濃いすか?」
「あれの知ってる事なんて殆どありませんね、ええ。むしろ我々の息のかかった者を敵の内側へ潜り込ませるとも言えます」
「それもそうっすね」
「何よりあんな野狐の世話はもういいですぅ!…しかし向こうの狐の能力は、ちょっと興味深いですね…」
―――
「なにやら、お゜も゜し゜ろ゜い゜こ゜と゜に゜な゜っ゜て゜ま゜す゜ね゜ぇ゜~」
「なんだあの姿!新テク開発したのか!?」
「言ってる場合じゃねぇだろオラァ!リランちゃんは大丈夫なのかよ!?」
「いや、あれはむしろ能力が働いてる証拠じゃ。ただのラジコン同然のメカニカルリランをあそこまで戦わせていた、リランちゃんの「物を狂わせる」能力。それよって生まれた膨大なエネルギーが機体から溢れているんじゃ」
「どうやらそのようね。メカニカルリランの時は暴走するエネルギーに機体が耐えきれないからラジコン操作だったけど、あのメカニカルミランはコックピットから能力を使っても問題無く、余剰エネルギーを外部に放出して推進力にしてる…!」
「ウッソだろお前!?リランちゃんのアレって機械音痴じゃなくて能力なのかよぉ!」
「えぇ…」
「鈍スギィ!みんな気がついてたんだよなぁ…」
「あっそっかぁ…知らなかったゾ…」
「あんたもですか…自販機触るだけでぶっ壊すのが機械音痴の訳ないでしょう。でも本当にあの能力のエネルギーを纏ってるなら、それを直接向こうに流し込めば…!」
「止められのか!?アレを!」
―――
「大丈夫だよズラン、どこにいても私が迎えに行く!その場所がそうさせるなら、ズランを縛ってるなら!私が狂(こ)わすよ!!」
「メカニカルミラン!!弾幕最大!!」
「末符「ダークインフェルノ!」」