Artist's commentary
かつて1人だった私へ
リランの戻ってきたラボでは、対ズランの作戦会議が行われていた。
「それじゃあ、リランちゃんには改めて!この“メカニカルミラン”に乗り込んで、各地で暴れてるメカニカルズランと相撲をとってもらいまーす♪」
「ファッ!?早スギィ!こんな物いつの間に造ってたんすか!?」
「そうだよ。ついこの前メカニカルリランが壊れたばっかりだゾ。」
「急造の欠陥品にリランちゃんを乗せるとか、やめてくれよ……」
「安心して!実はこれはリランちゃんを保護してすぐの頃から平野博士と協力して造ってたものだから、完璧な完成品よ!」
「リランちゃんが持ってた紫色の棒、アレを調べたらこやつのデータが残ってたのじゃな。あれは驚いたなぁ、うん。」
「うっそだろお前!紫の棒って、蓮さんがリランちゃんとチャンバラしてた奴じゃんかよぉ!」
「いや…あの…ちょっとあの、はい、盛り上がっちゃって…」
「もう許さねぇからなぁ?」
「知らなかったから仕方ないだろォ!?」
「私も知らなかったリラ…!」
「もう許せるぞオイ!」
「…まぁデータは取ってるから大丈夫なんじゃが、一応大切にするんじゃぞ〜?」
「ハイハーイ♪お喋りはそこまで!それじゃ早速出発するわよ!作戦通りリランちゃんがズランを止める!その間残りのエージェントの皆は、今出払ってる他のエージェントと合流して、各地の暴動鎮圧!質問は?」
「ないリラ!」
「ありませんねぇ!すぐに行きますよぉ…行きますよ~行く行く」
「なんで質問する必要なんかあるんですか?」
「気合十分、いいゾ〜これ」
「あ、いいっすよ。これだけの大規模作戦なんて久々だから楽しみっすよ」
「暴徒達が従順になるまでやるからなオイ!」
「頑張るんじゃぞリランちゃん。君の正義の鉄槌で、ズランちゃんの濁った心を覚まさせてやりなさい」
「わかったリラ!…待っててズラン。もう一度会いに行くリラ…!」
パイロットスーツと、勇気をくれるサングラス。準備を整えたリランはデッキへと降りる。これまでとは違う、今度は自分も乗り込んで、一緒に戦うのだ。
メカニカルミランの前に立ったリランはその瞳を見て決意を固める。
「私だった誰か、もしもそこに残ってるなら、見ていて欲しいリラ。今度は2人で、戻ってくるリラ。」