それは誰にでもあった無垢なる時間の記憶。背負うことになる重荷も知らず、靴先を向ける先も知らず、穏やかさに包まれていた時間。ただ、それがあるからこそ、覆すべき理を知ったとも言える。
「兄さんもワギナオも、こんなとこで寝ちゃったんですか?」
それは失うべからざる声。穏やかな光のもとで響くべき声だと背中を押すのだ。(革める意志、ニムルのもとに)