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Artist's commentary
TOMITA
冨田勲さんが「交響曲イーハトーヴ」で初音ミクを使うと聞いた時は「え」って感じでした。けど、そこでの初音ミクは異次元のクオリティでした。作り物である初音ミクに演奏が合わすのではなく、オーケストラの演奏に初音ミクが合わせて歌い踊るという仕組みは画期的なものだったようです。
しかしなぜ初音ミクを使ったか・・・冨田氏は日本で最初期にシンセサイザーを導入したとして有名ですが、その頃から「シンセに歌わせたかった」とか。しかし、アナログのシンセサイザーを人のように喋らせるのは難しく、「パピプペポ」としか喋らなかったということで、冨田氏のアルバム、とりわけ「惑星」にはこのパピプペポのメロディが多用されています。冨田氏はこの音色に「パピプペ親父」と名付けていろんな曲で用いていました。70年代はじめ、シンセサイザーに歌わせたかった氏の思いは「パピプペ親父」から今の「初音ミク」に受け継がれたのだと思います。
で、絵の後ろの大きなシンセサイザーの上に乗っかっている親父、これはおそらく、まだだれも絵にしたことがないであろう、「パピプペ親父」をイメージして描きました。アルバム「惑星」ではこの「パピプペ親父」は宇宙飛行士と管制官として登場し、惑星のもっとも有名なメロディ、木星(Jupiter)を軽やかに誇らしげに歌い上げていました。
中央、冨田氏です。お若い頃の姿を描きました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。