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Artist's commentary
#NegaResurrectionPLR P005
シリーズ:novel/series/8632277
P005 砂蟲
サンドウォームだ。
砂蟲、昔のSFに出て来た巨大なミミズの化物だ。
今はそんな物が普通にのさばっている。
本当にふざけている。
今はまだ遠いが時期にここら一帯も砂嵐に巻き込まれるかもしれない。
俺が先行していた魔女に停止サインを飛ばすと奴は不思議そうに首をかしげて振り返り、足跡消えかかる道を引き返してくる。
「どうした、なにがあった」
あー、そして俺は一つ忘れていた。
どうやら原理は知らないが魔女にはサンドウォームが見えないらしい。
あんな馬鹿デカい存在が見えていないのが到底理解できない事だが、基本的に見えていないらしい。
「ええとだな、なんだ、お前はサンドウォームを知っているか」
「映画でなら」
そうではない。
話がややこしいので面倒な部分は省いて話を進める事にした。
「まぁいい、おそらくだがこれから砂嵐が更に強くなる、少し休む」
「ゾンビも疲れるのか」
「疲れるんだ」
魔女はいかんせん釈然としない様子ではあったが最後には同意しシェルターの準備を始めた。
実際問題、魔女はどうやってサンドウォームを避けているんだ。
大きな砂嵐とでも思っているのだろうか。
幸いなことに蟲どもはフィクションとは異なり振動などを察知している様子もなく基本的にこちらのことを気にする様子もない
ただ悠々と砂漠を横断する。
思い返してみれば一度たりとも接触しそうになった事すらない。
一種の砂漠の風景みたいなものとなっていた。
「そういえばお前、名前を聞いていなかった、あるのか」
「ある」
「教えてくれ、いつまでも魔女では扱いにくい」
魔女は少し嫌そうな顔をしたが、しぶしぶと答えた。
「魔女デザート・トレーマーズだ」
そっちか。