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Artist's commentary
ノーザリアの二竜
「お前さんには借りがある。協力させてもらおうじゃあないか」
東へ向かおうとした黒竜に話しかけたのは、先日助けた蒼い仔竜…が元の姿に戻ったものだった。
「…頼んでもないことに首を突っ込むのは君の悪いところだよ」
小さく溜息をついて黒竜は答える。
自身の住処に近い西の戦いに加担していた黒竜は、東の城が落とされたとの報せを聞いた。
その先にあるのは…ノーザリアの首都アイスブランド。
やっと安住の地を手に入れたのに、魔の者らに占領されてしまってはたまったものではない。
隣の祭り好きの蒼い竜は、少し前から東の戦いに協力していたようだった。
黒竜が助けに行く頃には魔力を使い果たし仔竜になっていたことから、東の敵は竜の力を以てしても簡単には勝てない相手なのだろう。
(…協力を得たいのは君のほうなんじゃないか?)
そう言葉が出掛かったが、ノーザリアの山々よりもプライドの高いこの竜に言ったところで無駄だろう。
「付いてくるのは構わないが、魔の国の武具の素材にされないように気を付けることだね」
「はは。お前さんにしては面白い冗談じゃあないか」
蒼い竜は牙を見せて嗤い、黒竜とともに大きな翼を広げ東の闇へと消えていった。
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音無き巨影
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盟約を果たす者
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