Artist's commentary
田舎で普通の学生だった頃のにくるちゃん(存在しない記憶)
インタビューや握手会で「アイドルをやる前は何をしていたのか」と聞かれた時のためにマデンスはあらかじめにくるの中に存在しない記憶を用意している。
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クラスで一番かわいいあの子の通学路が自分と同じだったので、他愛のない話をしながら毎日一緒に登下校していた。
ある日の会話が将来の話になったとき「わたし、いつかアイドルになりたいんだ!」と、彼女は笑顔で言っていた。
自分が一番彼女の魅力を知っているという自惚れから、「にくるちゃんならなれるよ!」と、ついそんな返答をしてしまった。
そしたら、卒業が近づいた頃に、彼女の口から「卒業したら都会に引っ越すんだ!芸能事務所に入るの!」という言葉が出て、そこでやっと「彼女の語る夢が本当だったこと」「本当にアイドルになれるかもしれないほど可愛い子だったこと」「なのに現状に甘えて関係性を発展させなかったこと」「彼女が地元から離れて遠くへ行った先で自分の知らない人と知り合う」ということに気づいて後悔の混じった焦りが生まれる。
でもいまさら「好きだ」なんて言う勇気も出ず、あれよあれよという間に卒業式が終わった。
都会へ向かう電車に乗る彼女を見送りに来た友達はたくさんいて、車窓から手を振る彼女の視線の方向が自分だけじゃないことに気づき「ああ、自分はあの子にとっての特別なんかじゃなかったんだ…」と打ちひしがれながら、電車が見えなくなる最後の最後まで結局何も言えなかったあの時の光景が、大人になってもずっと忘れられず、それが自分の「初恋」だったのだと今になって気づいた。
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なんてことがあっt
ちょっと待って、自分で書いておきながら辛くなってきた
それはそれとしてマデンスはにくるの生い立ち設定を割と雑に作っているので、根掘り葉掘り聞かれて過去に矛盾が発生するとにくるはバグる。