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Artist's commentary
焔木家のお犬様 再興伝2
1922年初夏、ようやく焔木家の掃除と片付けが終わる。
かつて使用人を抱えた屋敷は主人たる焔木才造以外には無く、惨憺たる有様であり、
一宿一飯の恩義から屋敷の世話事を申し出た、という経緯である。
一昨年に待宵様と幽異界送りの儀に立ち会って以降、妖怪の数は激減していた。
妖怪が減るならば即ち、退魔士としての食い扶持も減るという事だ。
故に現世に残った「門」を潜れないほど強大な妖怪を狩り、一攫千金を企てたわけである。
中部七国時代の大妖「可睡斎」と並び、現・科野一帯最強と謳われる悪妖「ダイダラボウ」は
人の身には余る相手なのたが…単騎で良く健闘したものである。
千里の道も一歩から。
村にも顔が知られてきた私は子供達に読み書きそろばんを教える塾を開き、
才造さんは「黒兎を狩ってお金にする事」を日課とした。これで生活基盤が整うだろう。
イメレス先は前作。続きます。