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Artist's commentary
殺生石のかけら3
2022年3月5日。
私は国を覆いつくす程の圧倒的な妖力を感じながら「黒い狐」と相対していた。
中部七国を制する過程において「可睡斎」や「秋葉権現」といった強大な妖怪を見てきて、
これら大妖怪と互せるはずの観緒が僅か半刻も経たずに深手を負わされるという事は…
明らかにそれ以上の恐るべき存在だという事だ。
何故、それだけの妖力に気付かなかったのか己の未熟を恥じる。
一瞬、観緒を救って逃げる手も考えるが、
今ここで奴を滅ぼさなければ、未曽有の被害をもたらす事は想像に難くないだろう。
私は未だかつてない強大な妖力に冷や汗をかきながらも
愛用の業物・雷上動を手に取り「黒い狐」に向き直ったのである。