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Artist's commentary
ライク・ア・ショウ
「オスカー、お前はいつも虚言でその身を装うばかりで恥ずかしいとは思わないかね、クク?」
「嗚呼、ロキ。真実を突いてばかりの君の言葉は僕にとっては耳が痛いばかりさ……だがその痛みとて僕にとっては快楽なんだなこれが」
有楽町エンタティナーズの支配人にして戯曲家、オスカーは考える。
自分が引き取った目の前の「劇場型犯罪者」ロキは、キャンバスに描いた自画像のごとしであると。
ロキなくしてオスカーは、偽り続けた人生に、己が正気を保てなかった。
オスカーなくしてロキは、偽り続けた人生で、とうに処刑されているはずだった。
はたしてどちらが優位にあるかは、舞台に立つ彼らの心のみが知ること。
観客たちは期待と不安の眼差しを2人に向け、その行く末を見守るばかり。
我らが人生はショウのように。
そして我らはショウを愛し、それと共に幕は下りる。