Artist's commentary
おまえは連縁のクラウゼについて理解したつもりでいるのか?
おれは連縁project作品が好きである。
おれはヴィルヘルム・フォン・クラウゼヴィッツ・ハルシオン・翡翠丸(偽名)が特に好きである。
知らないのならば無理はいわない。ママのところに帰るがいい。
おれが重度のクラウゼキチガイであるということを知っている聡明な読者は今回の駄文に付き合ってほしい。
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あ~好きかわいい指の骨全部折ってつみれ汁にして食べたい。
さて本題に入るが、最初に言っておく。「おまえたちはクラウゼのことを何も知らないしこのおれも知らない」
強いて言うならば製作者たるJynX氏は知っているだろうが・・・一般人たるおまえもおれもクラウゼのことは何も知らないのだ。本名ですら、だ。
クラウゼは連縁で最も意味不明な登場の仕方をし、大した掘り下げもされず、あろうことか6面ボスのくせに黒幕でもなくクソ長文設定txtでもないキャラだ。
无現里と蛇叢剱がリリースされた直後、いったいJynX氏はどんな世界観を見せてくれるのだろうと、おれが胸にドキドキワクワクを詰め込み季節外れのインフルエンザで熱があったところを人の黒歴史をえぐる形をした壮大なネタキャラが攻撃してきたのだ。
一作目で藪雨その他一行が誘拐された原因は鶴喰の仕業であるしその動機については現在も判明していない。クラウゼはただの通りすがりの町人Aなのだ(6面ボスでありながら!)
まあ同時にこの作品のファンになったんですけどね、初見さん。
二つ名の「混沌」の異名を持ち重力を自在に操る永遠なる皮相浅薄はライトニングさんのパロディであることしか判明していない。
名前から元ネタを推察しようとヴィルヘルム・フォン・クラウゼヴィッツ・ハルシオン・翡翠丸(偽名)からカワセミや戦争論や睡眠薬を見出そうとしても、
このキャラクターがいわゆる厨二病を患っていることと、文字列の最後で自己主張をする(偽名)が邪魔をする。
極めつけは会話テキストだ。
読んでいて頭が痛くなり、自機が考えるのをやめるのと同じようにおれとおまえも考えるのをやめる。
作中で面倒な奴と形容されるどおりのキャラクター性をしており、製作者からもファンからもおれからも面倒な奴扱いされている。
そう結論付けられていた。
つまりは、まあ、そういうやつだったのだ。
天影戦記に隠し自機が追加されるまでは。
隠し自機・・・スズミには表人格のハミィと裏人格のアルディが存在する。もうひとりベニーが居るが詳細は判明していないので省く。
スズミの会話テキストでは、他人に向けて声が聞こえるように会話をしているのはハミィでありアルディの声は基本的にハミィにしか聞こえない。(例外あり)
デュエルをしていない時のAIBOと王様の関係とでも言えばいいだろうか。
これに加えてスズミは相手の記憶を消すことが出来る。
ここでスズミがクラウゼと遭遇した時の会話テキストをLen'en Wikiから引用する。
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わかりやすいようにアルディのセリフを赤く塗っておいた。
ハミィのセリフのみを聞いて果たして「この『騒ぎ』は君の『仕業』だったのか」と発言を行えるだろうか?微妙なところだ。勘のいい人間なら気がつくかもしれない。
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この会話テキストを読む限りクラウゼはスズミが複数人であることを知っており、アルディのセリフも認識している。
これに作中で気づくキャラクターとしては壬鳥やセセなどの潜在的実力者(鳥の名も関係しているらしい?)や
アルディを完全に認識しアルディに話しかけることができる藪雨などがいる。
アルディが驚愕していることから、天影戦記の時間軸で初めてスズミ側はその事実に気がついたのだろう。
問題はいつからクラウゼがその事実を認識しているのかだ。
それは无現里に追加された隠し自機の会話にヒントがある。
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まず前提として、无現里の隠し自機の会話の時系列は天影戦記よりも後である。
厳密にはスズミ主観の時間軸は霊→天→无or蛇だが、
他のキャラクターにとっての時間軸は无→蛇→霊→天だ。
天影戦記でのクラウゼの「君達」に反応したスズミが无現里のクラウゼの「君達」に反応しないのはスズミ側からしてみれば当然の反応である。
さらにプレイヤー側からも隠し自機の追加順番が天→无蛇霊であったため、この会話は読み流しがちだった。
この无現里の会話における不自然な点は単純明快。
会話にアルディが参加していないにもかかわらずクラウゼは「君達」と発言していることだ。
もしクラウゼが天影戦記でアルディの会話が聞こえたから「君達」と発言したならば、
无現里でハミィしか居ない状態で「君達」とは言えないはずなのだ。
ここで一つの仮説が登場する。
クラウゼはスズミの謎を无現里開始以前(外の世界に居た頃)からすでに知っていたのでは無いだろうか?
そうするとクラウゼが黒巫鳥を押しのけて6面ボスになった理由も朧げながら推察できる。
物語的ラスボスのスズミの記憶操作に完全耐性をもつ藪雨が主人公であることと同じように
主人公としてのスズミに対しての物語的ラスボスがクラウゼなのではないだろうか?
スズミに対するワイルドカードが藪雨しかいないように見せかけて、もう一枚のワイルドカードがクラウゼなのでは無いだろうか?
だってジョーカーって二枚あるでしょう?
ここまで読んだ諸兄は「なるほどさすがクラウゼキチガイだ、クラウゼのことをなんでもしってるな!」と感心するかもしれない。
甘い。
ここまで考察しておいて遅効性で効いてくるのが玄鳥の无現里EDテキストだ。(EDなのでテキストは割愛する)
クラウゼは当てずっぽうで玄鳥の正体を推察している。
当てずっぽうだ。
仮説に対して、クラウゼはあてずっぽうであると言われれば何も反論できない。
クラウゼに対する考察の殆どが塵に消えてきたのは无現里EDのテキストがあるからに他ならない。
クラウゼの正体など、何を考えているかなど誰も理解することは出来ない。
誰も興味を示さない。
眉唾な話をしよう。
霊烈傅のとあるキャラのBGMテキストにはこのようなことが書かれている。
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JynX氏は同じメロディをBGMに取り入れることで、キャラクター同士の関係性を表現する手法を使っている。
つまり他のキャラクターのBGMに同じフレーズが使われている場合、そのキャラクター同士にも関係性があるのでは無いだろうか?
かつて、霊烈傅がリリースされた当初。おれはクラウゼと天堺に何か関係性があるのではと考えていた。
しかし、天堺の元ネタである南光坊天海のしりあいに偽名を名乗っていて名前がクソ長くて重力を操って厨二病の紫色の面倒なやつなど当然居なかった。
おれは考察をあきらめた。
眉唾な話をしよう。
天影戦記の会話の構造について軽く解説しておくと、
①ボス登場前 おおむねそのボスに関連する会話が振られる
②ボス登場後 ボスに関連する会話を発展させる。
③ボス撃破後 6面ボスには撃破後会話は基本的に存在しない。
だいたいこうだ。起承転結のメリハリをつけてまとまった会話にするためには至極当然の構造だろう。
天影戦記では天堺が自機となりクラウゼと会話するシーンが有る。
長いので画像は載せないが会話の流れとしては、
①天堺が外の世界に居た頃についての会話が振られ、記憶がないことが判明する
②クラウゼは天堺のことを知らないと答え、クラウゼは言葉の持つ力について語る。
天堺はクラウゼに対してよくわからない違和感を覚える。
天堺の外の世界の頃の話を振られてクラウゼが出てくるのは不思議な話であるし、
この会話において天堺の調子がおかしいこともなかなか不思議な話だ。
またクラウゼが話題に出す言葉の力、つまり言霊というワードだがすべての連縁シリーズ作品を読み返しても
言霊めいた概念について言及しているのはクラウゼか天堺の会話テキストのみだ。
また天堺の会話テキストでは、「言葉自体に力を持つ」「言葉に結界を仕込む」などの言葉も飛び出してくる。
天堺とクラウゼはお互いに言霊を扱える存在で、だからこそ天堺はクラウゼに違和感を覚えたのかもしれない。
しかしクラウゼだぞ。
おれは考察をあきらめた。
眉唾な話をしよう。
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天堺のテーマカラーを反転させるとクラウゼカラーになる。
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クラウゼのテーマカラーを反転させると不味そうなメロンカラーになる。
これは連縁projectのオマージュ元である東方projectの古明地姉妹で扱われているデザイン的手法のひとつだ。
そもそも、クラウゼは偽名ながらカワセミというワードが入っているにも関わらず
他の无現里のキャラクターと比較してあまりにもカワセミとカラーリングが乖離している。
元ネタはカワセミです!終わり!とするならば紫色も紺色も不要だ。鮮やかな水色さえあれば良かったはずだ。
対照的に天堺は元ネタに忠実なカラーリングをしている。
南光坊天海の肖像画で検索すれば納得できるだろう。
これは妄想なのだが、はじめに南光坊天海の肖像画を元に天堺のデザインが完成し
その後にクラウゼのデザインが完成したのではないだろうか?
しかしそれを証明する手立てはない。
おれは考察をあきらめた。
眉唾な話をしよう。
クラウゼの本名は現時点で明かすことが出来ない。
レイ君はクラウゼを見るとFatal errorを吐き出す。
JynX氏はクラウゼと天堺の関連性について「こんなところに産まれたてのひよこが!」とはぐらかす。
だからどうした。クラウゼだぞ。
おれは考察をあきらめた。
眉唾な話をしよう。
玄鳥の元ネタではないかと有力視されているルネ・マグリットはシュルレアリスムの画家だ。
天影戦記でマグリットという言葉が鵐きょうだいから出てきたためである。
この一言で長らく謎に包まれていた連縁无現里キャラの考察は加速した。
具体的には无現≒シュールレアリスム≒見えないがそこにある超現実ではないか?などである。
黒巫鳥の元ネタはマグリットと関係深く、知の考古学などの本を出版したミシェル・フーコーではないかという説が出てくるほどだ。
シュールレアリスムに関連し、奇人変人で名前が長い奴などふたりしかいない。
そして「自称天才」などひとりしかいない。
サルバドー・ドメネク・ファリプ・ジャシン・ダリ・イ・ドメネク
つまりダリだ。
ダリには生まれる前に死んだ兄が居た。
名前はダリと全く同じ名前だった。
本名を明かせないというのは一発で元ネタがわかるからなんて生易しいものではなく、
既存キャラと一言一句同じ名前だからなのではないか?
ばかやろう、ダリは本物の天才だ。クラウゼとは違う。
おれは考察をあきらめた。
眉唾な話をしよう。
天堺は結界について「結界という物質は存在せず、内と外に異なる事象があるのみ」と語っている。
おれたちはクラウゼを外側からしか見ていない。外側のクラウゼしか知らない。
面倒な奴であるということも、外に向けられた言葉によって聞くに値しないと聞き流してしまうのも
すべてクラウゼ自身がそう表現することで結界を作っているのではないだろうか。
いったいなぜ?
スズミは情報を集めていた。
周囲の記憶を消して玄鳥を貶める策をずっとずっと昔から練っていた。
天影戦記はスズミが情報収集のために何度もやり直している物語である。
そのなかでアルディはこう語っている。
『相手の言葉で得る情報より、記憶から得る情報のほうが
質も量も充実してるだろ 』
『だから会話なんて・・・・・
記憶を探る条件を揃えるためだけにあるのさ 』
スズミはおそらく天影戦記以前にいちどもクラウゼの記憶を探っていない。
だからこそ天影戦記でクラウゼと言葉を交わした時に驚愕した。
クラウゼを撃破した際の天影戦記EDは汎用EDであり、その後記憶を探ったのかはわからない。
しかし、天影戦記以降に発生した无現里隠し自機会話ではやはりクラウゼのことなど気にもとめていなかった。
取るに足らない戯言だと聞き流していた。
スズミはおれたちと同じように、クラウゼを外側からしか知らない。
面倒なやつだというレッテルで思考を停止し、興味など微塵もわかない。
おれがいいたいことは単純明快だ。
「おまえは連縁のクラウゼについて本当に理解したつもりでいるのか?」
面倒な奴だと決めつけていないか?
クラウゼの会話からは何も得るものがないと決めつけていないか?
名前に翡翠と入っているからと、ハルシオンと入っているからと元ネタはカワセミだけだと決めつけていないか?
その時点でおまえはクラウゼの掌の上の星だ。
クラウゼについて語るなら「何もわからない」これでいい。
そこににわかも古参もない。
クラウゼのことは誰にもわからない。ダリにもわからない。
いじょうだ。
ここまでの長文に付き合ってくれた諸兄に感謝を述べると共に、
これが連縁project作品の考察の針を進める一歩になれば幸いだ。
もしおまえが連縁projectを知らないのにここまで読むほどの奇特な人間ならば、
ぜひこの作品に触れてみてほしい。
連縁projectは未だに解き明かされていない謎が多く残る作品だ。
しかし、天影戦記でとあるキャラの出生が解明され、考察界隈を賑わせたことは記憶に新しい。
製作者のJynX氏は必ず連縁projectの答えを我々に示してくれる。
おれはただそれを待ちわびるものだ。
おまえも例外ではなくなるだろう。おれはそう信じている。
連縁公式HP トリック・ノスタルジー
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