何重にも重なって聞こえる声が、わん、と部屋中に反響する。
「Non.(いいえ)──私が選びたいのは、彼女に辿り着く道だけだもの」
ファントムの口がにいっと横に裂けて、ケタケタと笑い出す。笑い声は段々と大きくなっていき、やがて現れた時同様に煙のように消えた。静寂が戻ってくる。アリスは先へ進むべく部屋を後にした。
▶︎第3話:novel/7858556 第1話:novel/7159765
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