目が覚めた時、少しほど前に見ていた夢の内容を噛み締める時がある。確かに私は旅をしていた。誰かと会話し、何かに触れて何かを嗅いだはずだった。それは確かな記憶なはずなのに、少し生きたら決まって薄く透き通ってやがて消えてしまう。けれど私は確かにあの時黄泉の国にいたのだ。
夢から覚めたのか、そんなモノ初めから無かったのか。