月が照らす豊かな赤の国の森。
ふと気配を感じ周囲を見渡すと、よく似た姿形の狼がいた。

ワーウルフの特徴を半分持ちながら、半分は違う種族の特徴を受け継いでいる。
自分と同じだ。そう気づいた白い狼は赤毛の狼に近づいた。

「…きみはぼくと同じだ。辛い運命を背負ってる」
半分の違う血のために産まれの国から捨てられた白い狼は悲しい瞳でそう言った。

赤毛の狼はノーザリアの紋章を見るや牙を向いて威嚇したが、白い狼は話しかけた。
「一緒にノーザリアに来ないかい。あの国ではぼくたちもきっと幸せになれる」
「オマエ、敵！戦ウ！」
威嚇をやめないその姿を見て、白い狼はまた悲しい瞳をしたが、一瞬のちに目を伏せた。
「そうか…残念だよ。きみとは戦いたくない」
そう言うと厳しい表情になり、闇へと消えていった。

二匹の狼。同じ色をしたその瞳は、それぞれ違う方向を向いていた。

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好きすぎたのと境遇が似ていて妄想が爆発してしまいました‥！
月呑みのルーさん
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戦場が違いますが戦いが始まる少し前に出逢ったという設定で…ファンアート失礼しました！

混血の狼リオン
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