大きくなり過ぎた巨竜が居た。 彼は生涯を全うしてもなお生き続けた。 数え切れぬ同胞達を看取り、いつしかその羽根で空を飛ぶことも叶わなくなった。 肥大化した体躯による神経伝達速度の遅延で知性をなくし、心までもを失おうとしていた。 辛うじて残っていた彼の意識に与えられた最後の使命は ”前進すること” ただそれだけだった。
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