Artist's commentary
~ウマ☆戯☆王~ アグネスタキオンvsマンハッタンカフェ
「ふぅン・・・知っているかい、トレーナーくん?
最近ウマ娘の間でデュエルモンスターズというカードゲームが流行っているようだよ」
「ああ、あちこちでよくデュエルしてるな。ほとんどのウマ娘がやってるんじゃないか?」
「そうらしいね。ここで面白いのは、この勝敗やデッキ構築、戦術といったものがウマ娘の心身にも与える効果だ。どうやらそれらが少なからず走りにも影響を及ぼしているようだ、という点だね。
・・・ククッ、興味深いねぇ・・・
これは是非とも研究したいものだ!
プレイしているウマ娘を捕まえ・・・連れてきて調査を――」
「今捕まえるって言わなかった!?」
「――いや、それよりも自分自身で体験してみるのが手っ取り早いか?
うん、そうだな、それがいい。
よし!善は急げだ!さっそくカードを買いに行こう!」
「・・・まぁ、思い直してくれたならよかった・・・かな?」
「何をしているんだいトレーナーくん!カードショップに行くよ!」
「えっ、俺も!?」
「当たり前だろう!誰がお金を出すと思っているんだ!」
「ひょっとして俺が買うの!?タキオンが遊ぶのに!?」
「遊ぶんじゃない、実験だよ!実験なんだからモルモットである君が協力するのは当然だろう?」
「いや・・・でも・・・これは何か違うというか・・・」
「なんだって!?じゃああの時「なんだってしてあげたいんだ」と言ってくれたのは嘘だったのかい!?」
※タキオン育成シナリオ参照
「あれ結構いいセリフだったんだからこういう所で持ち出さないでくれるかな!?」
「あーもう!いいから行くよモルモット君!ほら!早く早く!」
「やれやれ・・・」
************
ドタドタドタドタ・・・・・・ガラガラピシャン!!
「カフェ!私とデュエルをしよう!!」
「・・・タキオンさん、ドアは静かに開けてください」
「そんな事はどうでもいい!さぁカフェ、私とデュエルをしようじゃないか!」
「・・・私は今コーヒーを飲んでいるんですが」
「だからそんな事はどうでもいいんだよ!ほら、いいからデッキを出したまえカフェ!
ほら、早く!はーやーくー!」
「・・・デッキって、デュエルモンスターズとかいうカードゲームですか?
私、それやってませんけど」
「なんだって!?どうしてやっていないんだい!私がせっかくデッキを作ってきたというのに!」
「・・・そういうタキオンさんこそ、どうしてカードゲームなんて・・・いえ、いいです。
どうせ実験ですね。・・・何がどう実験になるのかは知りませんが・・・」
「さすがカフェ!話が早くて助かるよ。しかしデッキを持っていないのは困るなぁ。
想定外と言っていい・・・ククッ、さすがはカフェ。私の予想を超えてくるね」
「こんなことで褒められても嬉しくないんですが・・・」
「よし!ならばカードを買いに行こう!そしてデッキを組んで私とデュエルだ!」
「・・・いえ、興味ないので」
「え~?いいだろう、別に減るもんじゃなし。やろうよ~カ~フェ~」
「減ると思いますけど・・・お金とか時間とか・・・」
「なぁに、君もトレーナーに買ってとおねだりすればいい。
可愛い担当ウマ娘のお願いだ、嫌とは言うまい!」
「・・・「君『も』」?・・・もしかしてタキオンさん・・・」
「ああ!うちのトレーナーくんに買ってもらったとも!実験のために必要だからね。
最初は渋っていたが、これが必要なんだとだだをこねたらあっさり折れてくれたよ。ハッハッハ!」
「・・・・・・(気の毒に・・・)
・・・私はやりませんよ。うちのトレーナーさんにそこまで迷惑をかけるわけにはいきませんから」
「ふぅン・・・仕方ないねぇ。それじゃあうちのトレーナーくんに――」
「やめてあげてください。
・・・というか・・・なぜそこまで私に?他にやってる子の所に行けば・・・・・・」
「うん?行くよもちろん。まずはカフェでデータを・・・もといデュエルをしたいと思ってね!」
「・・・・・・ハァ・・・
わかりました。でも、私ルールとかどんなカードがあるのかとか全く知りませんよ?」
「そうかそうか!ハッハッハ!カフェもようやく実験の――いや、デュエルの素晴らしさを理解してくれたようだね!なぁに、心配する事はない!私がレクチャーしてあげよう!」
「はぁ・・・」
「まず、このゲームは40枚以上でデッキを作る事から始めるんだ。
では1万種とも言われる数多あるカードの中からどうやってそこまで絞るのか?という事になるわけだが
これは俗に『カテゴリ』或いは『テーマ』と呼ばれる括りでまとめるのが今の主流だ。」
「『カテゴリ』・・・『テーマ』・・・ですか?」
「うむ。『ライトロード』『氷結界』『HERO』や『ふわんだりぃず』etc…といった共通名詞を含むカード群の事だね。共通のため、その名詞を含む効果の恩恵を受けやすい利点がある、というわけさ」
「・・・今、なにか1つだけ毛色の違う呼び名があった気がするんですが・・・」
「なに、1万種もあるんだ。多様性というやつだろう」
「はぁ・・・つまり、それはウマ娘(わたしたち)でいうチーム『シリウス』や『スピカ』みたいなものですか?」
「理解が早いね!さすがカフェだ!そういうものだと思ってくれていいだろう」
「・・・(本当に合っているんだろうか・・・)」
「そして各ウマ娘がどういう基準でそこからさらに選んでいるかだが・・・調べたところ、自身と共通する名前か特徴・性格などがイメージできるカードを好んでいる事がわかった。
なにせ1万種もあるからね。個性豊かなウマ娘とは共通項も多かったようだ。
例えばテイオー君なら『帝王』・『帝』、生徒会長は『機皇帝』といったカードを使っているようにね。
かくいう私も『タキオン』と名のつくカードがあると知った時は思わず興奮してしまったよ!
ククッ、まぁそれは冗談だがね。
ともかくだ、どうもこういった点もウマ娘を熱中させている要因らしいね。入れ込むと言ってもいい。
それ故にその勝敗はメンタルに作用し、走りにおいても好調不調に繋がるようだ。また、デッキ構築やカードの切り方・戦略といった点も走りにおける作戦に好影響を与えていると思われる。特にデッキ構築は奥が深い。これには「寝る前に良い組み合わせを思いついたので試していたら朝になっていた」と証言するウマ娘もいるくらいでね。ククッ、実に興味深いねぇ!一体この時、このウマ娘の脳内ではどのような脳内物質が分泌されていたのか非常に気になる所だよ!是非ともデータを取らせてほしいものだ!また――」
「わかりました。もういいです。
・・・それで、私はどんなカードを選べばいいんでしょう?」
「ふぅン・・・そうだね。私が思うに、カフェにはこのテーマがオススメだ。」
「『ゴーストリック』・・・?」
「ああ。君の『お友達』とやらをイメージしてみてね。どうだい?」
「・・・『あの子』を雑な括りで一緒にされた事に思う所はありますが・・・まぁいいでしょう」
「そうかい!それは何よりだ!それじゃあさっそく買ってきて実験を始めようじゃないか!」
「(やっぱり実験・・・)」