Resized to 94% of original (view original)
Artist's commentary
社務課管理物品「庇護を求める日本人形」
「人形の髪を梳かす」タスクは二日間繰り越されています。
次のシフトに入る人は二日分の対応をおねがいします。
※ただし、人形に触れるのは〝鳥〟のいない時のみです。
―――日報の引継ぎ欄より
--------------------------------------------------------------------------
とある住宅において管理されている日本人形。
一見何の変哲もない人形だが、実際は稀有な能力を秘めた物品である。
人形は一定の条件下において人間の可聴領域外の音を発生させることがある。
この音が発せられると、どこからともなく二体の鳥型超獣が現れ、
人形にぴったりと寄り添って離れなくなる。
その様子はまるで子を守る親のようであり、人形へのいかなる干渉も許さないようだ。
この状態は音の効果が無くなるまで継続する。
この人形がなぜ音を発するようになったのか?
音によって現れる超獣との関係は?…それらを解明するために社務課預かりとなった。
--------------------------------------------------------------------------