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Artist's commentary
社務課管理物品「革張りの椅子」
「あなたにも見えるようになったのね」
「それじゃあ、今日はお赤飯にしましょう」
―――とある母娘の会話より
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社務課で管理している「問題のある物品」の一つである椅子。
この椅子の「問題」は座面にネコ科の動物を配置することで発生する。
座面にいる動物を触ろうとする無数の手が椅子の周囲に現れるのだ。
これらの手は普通の人々には見ることができず、触ることもできない。
座面にいる動物にとっても同様で、周囲の手を気にする様子は確認されていない。
ただ、手を認識できなくても、
軽度の健康被害(幻聴、幻覚、体温の低下等)が生じることはあるようだ。
(動物への影響は現在ところ確認されてはいない)
手を視認できるのは社務課の職員、またはその適正がある人間のみである。
この性質を利用し、現在では社務課人員のリクルートに使用されている。
適正を期待されている若者達が日々、椅子との邂逅を果たしているようだ。
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