こんばんは。さいろめです。
はじめましての方ははじめまして。おだやかないきものです。よろしくどうぞ。
毎度恒例の制作日記なのですが、いつもと同様、前編後編に分けています。

さてさて、『くらやみ旅路』編、これにて完結です・・・。
いまのところ『くらやみ旅路』、『人喰いかいじゅうヨルのはなし』、『インタールード』、『月蝕こうもりうた』、『怪奇座談会「夢」』から成る五部作です。
自分はだいたい2年前くらいから、日常生活に支障をきたすくらい夢見が悪く、その得体の知れないわけわかんない不条理な「夢(悪夢)」という存在を擬人化し、すこしでもわかった気になりたいというモチベーションでつくったのが「案内人」でした。それが『くらやみ旅路』における案内人です。
きまぐれでいじわるでやさしいヤツです。

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↑寄り目こうもり

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↑このへんの構図は『人喰いかいじゅうヨルのはなし』のセルフオマージュだったりします。星の獣のほうが絵がうまいね。

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今回はMV中の絵のうち2枚をサンキュー・シャトル氏(Twitterはこちら)に担当いただいています。素晴らしい・・・。
シャトル氏の絵の世界観がめちゃくちゃすきなんですが、実は昨年、曲に絵をかいてほしいと思ってお依頼突撃して断られちゃったというなんとも恥ずかしいことがありまして・・・w
まあそれはともかく。

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↑案内人とヨル
エゴサとかしてる感じ『人喰いかいじゅうヨルのはなし』でさいろめのこと知ってくれた人が多いのかな〜と勝手に思っているのですが、
作中での「案内人」は三番星「ヨル」の毛皮をマントとして着ることでその恩恵をうけ、この姿(ずんだもん)をしています。ヨルにはもともと変身能力があり、作中では「おともだち」に怖がられず接近するために愛らしい姿をしていました。
「案内人」という存在自体は、人物というより概念だと認識しているので、みなさんの夢の中で会える「案内人」はまた別の姿をしているのかもしれません。

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こちらもシャトル氏に担当していただいたものです。
映像案で構図の指定は若干していましたが、異形たちのデザインなどは完全に任せています。
ヨルのはなしで出てきた「でんたくふくろう」が推しらしく、ラフの段階ではいたんですが、「この場面の異形たちはみんな案内人に殺されちゃうんですよね〜」、って話をしてたところ完成版ではいなくなってました・・・w
左上の一本角の子は氏の動画に登場するキャラです。
改めまして、この度はありがとうございました・・・！

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↑個人的に宗教画と呼んでるタイプの絵なんですが、段ボールにかいた絵なのでさいろめ宅での存在感もかなりあります。

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↑案内人は正面がいちばんかっこいい

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↑案内人のアニメーションはデジタル、それ以外は段ボールに油性ペンです。
絵をいっぱいかくとたのしい！

以下、歌詞など↓

『怪奇座談会「夢」』
作詞・作曲：さいろめ
うた：ずんだもん、KAITO

だれもが一度は夢を見る
流浪の星に導かれて
手を引く呪いのお月さま
迷わぬよう　忘れないよう
浮き世を捨てたいこどもたち
ちいさな足で探しにいくのさ
さあさあ今宵は座談会
いけにえだあれ？　その物語を・・・

むかしあるところ　二人の子供がいて
けれど一人は青い彗星に　魅入られたのでした
仲良しともだち　分かつ星の呪い
時を待たずして　化け物になるだろう・・・
だれもが一度は夢を見る
流浪の星に誘われて
ぼくがぼくでなくなるときは
どうかここには近づかぬよう

醜い姿の　青い星の獣
雪山赤に染めて　ひとり嘆くのでした
消えそうな自分が　思い出した呪文は
悪夢の列車に乗るためのものでした
いいかいそれじゃ　目をつむって
いち　にの　さんで　息を止めて
よん　ご　ろくで　身を委ねて・・・
「やあ！ご乗車ありがとうなのだ
まよなか特急快速線、つぎは　夢の底、夢の底
お降りの際は、お忘れ物にご注意ください」

願いごと叶える列車は言う
からっぽの友を送り届けたいのならば
夢の中さまよう七つ星を
あつめて呪われた月を灯し給へ

ふらりくらり迷い込んで
終点知らぬままに　さあ
キミとボクは子供ふたり
七つのろうそく灯す旅に出る
ほんとは触れられないはずの
愛しい友はいつか　ああ
三番星のマントで　”案内人”になった
丑三つ時の鐘が鳴るまえに
さまよえるキミのだいじなもの
夢の片隅から見つけ出して
あの駅まで送り届けよう・・・

らんらいらるら　欠けた記憶は
夢の果てに　溶け出しては消えてく
らんらいらるら　月は見限った
さがしものを　諦めた旅人を
らんらいらるら　ボクはしらないや
悪夢の底　まっくらり異形たちを
らんらいらるら　おわりにしようか
ボクとキミの　くらやみ旅路を！

ひとつ、目隠しの祈り手
ふたつ、異形のパレード
みっつ、貪欲でさみしいかいじゅう
よっつ、昇り龍の真似事で
いつつ、三つ足ねずみは空駈ける
むっつ、夜行列車に飛び乗れば
ななつ、現世を捨てた哀れ人
「キミは・・・七番星になってくれるかい？」

願いごと叶える闇の果てに
からっぽの旅人　その身捧げたのならば
夢の中さまよう七つ星よ
どうぞボクの中で　もうお眠りなさい
星のマントをまとう　キミのよく知る案内人なら
悪夢の列車に乗って　会えるさ
人が夢を見る限り・・・

太字になってるところは何らかの仕掛けがあったり、過去作でも出てきた要素だったりしています。
もちろん、今作が初見でもだいたいわかるようにシナリオはこの一曲だけでも物語として成立するように綿密に練っていますが・・・。さいろめ作品は基本的にどこから入ってもらっても大丈夫なように、したい。
ちなみに、『怪奇座談会』というのは絵を手伝ってくれたサンキュー・シャトル氏の動画作品群から使わせていただいたタイトルです。
『くらやみ旅路』編はずばり漢字一文字であらわすと「夢」なのですが、今作以外では意図的にタイトルには含めないようにしていました。

そういえば新作を公開するのが三ヶ月ぶりになってしまったのですが、1月と2月は仕事と大学が非常に忙しく、自主制作をするためのまとまった時間がとれなかったので、その間にインストをちょっとずつ進めていたり、シナリオを練りまくったりしていました。

off vocal音源↓

KAITO兄さんのコーラス、世界一美しいぜ・・・。

今回の曲のリファレンスですが(敬称略)、
・『Lilac』(戸川 純、Vampillia)
・『キュボス』(ヒズミ零)
・『ソワカの声』(きくお)
あたりです。トラック数が過去最高になり、PCがかなりつらそうにしてました・・・。
作業中はいつもお香を焚くのですが、最近はインド系の甘めのお香にハマっています。作業の休憩時間はエルデンリングしたり、Pepe Loreというネットミームからさらに派生したミームみたいなアニメーションを漁ったりしてました。
作曲用PCを買ったので、次回からはそちらで作業していきます。PC2台持ちだ・・・！！！データ移行がうまくいくかだけが心配だ・・・w

前編はこんなところで。
それでは、よい夢を。よい旅を。

後編はこちら↓