Artist's commentary
クレーの宝物
子供時代は初めての機会がとても多くてなんでも新鮮に感じます。そんな記憶は子供にとって宝物です、大好きな人と一緒なら尚更ですね( *´꒳`*)
海外のフレさんが考えてくれたストーリーです↓意訳しました、多少…結構好み入れてます
「卵焼き…?」
アルベドはクレーが今言ったことを繰り返した。
「そう!クレーは卵焼きが大好きなの! クレーは卵焼きがもっと食べたいの!」
クレーは嬉しそうに飛びはねて言いました。
アルベドはあごを掻き、目を伏せて考え込み、そして、ちらっと時計を見ました。
クレーは何度も見てきたその表情を、もうスクロースお姉ちゃんに教えてもらわなくてもわかります。
「そうだね、作り方はわかると思うよ」
アルベドはクレーの頭を軽く撫で、続けて、
「終わったらいい子にして、昼寝をするんだよ?」
といいました。
「クレーはいい子だよ!」
クレーは熱心に、うれしそうにうなずきました。
そして、かばんにぶら下がっているドドコを見せながら
「「ドドコも賛成です、ドドコも食べたいです!」」とくるっと小さく回りました。
アルベドはふっと微笑んで、
「わかりました、それでは、おつくりいたします」
とお辞儀をしました。
ところがクレーの中では何かが違ったようです。
「違う、違う!クレーは卵焼きを作るのを手伝いたいのーー!」
クレーはこれまで料理をしたことがありませんが、アルベドお兄ちゃんを手伝いたかったのです。何故なら、料理をするのはとても楽しそうだから。
クレーはノエルお姉ちゃんがたくさんの料理を作るのを見たことがあります。
ガイアのお兄ちゃんだって、あんなにおいしそうな鳥肉とキノコの串焼きを作れちゃいます。だから、クレーもおいしい料理を作ってみたかったのです。
クレーのママも、もしクレーがおいしい料理をアルベドお兄ちゃんと作ったら、すごく誇りに感じることでしょう。
料理を作るため、クレーたちは西風騎士団の台所に向かいました。
この時間帯はまだ早いようで、二人の他には誰も見当たりません。台所は大きな家具でいっぱいです、カウンターの上には乾燥した葉っぱとニンニクがつるされています。スープのような香りのするそれはクレーにとってはとても新鮮でした。
「アルベドお兄ちゃん、どうしてモンドには卵焼きがないの?卵焼きは本当に美味しいんだよ!モンドの人たちにも食べてほしいの!」
クレーは尋ねました。
卵と、それからいくつかのボウルを準備しながら、
「それはこんな風に卵を”消費”することがないからだと思うよ」
アルベドは答えました。
「しょうひってなーに?」
クレーはわからないというように不思議そうな顔で尋ねます。
「それはね、たべるっていうことだよ」
コメント さくらせみ : そうして話しているうちに準備が終わったようです。
アルベドはクレーに卵とボウルを手渡して、
「さあ、卵を割ってみてごらん」
といいました。
クレーはしばらく卵を見つめた後、ボウルに向かって卵を強く打ち付けました。
グシャッという音をたて、中から出てきた黄身がらせん状の模様を作ります。
「ふむ・・・」
それを見たアルベドはやさしく笑い、
「見ててごらん」
といって、他の卵をボウルに軽く、コンコンっと打ち付けて、さっと殻を二つに割りました。ボウルの中では黄色い大きな太陽が誇らしげにこちらを見上げています。
「わぁ!すごい!クレーもこんな風に割ってみたい!」
もう一度!という風に見上げてくるクレーにアルベドはもう一つ卵を渡しました。
クレーはアルベドがやっていたように卵を打ち付けて、急くように殻を割りました。
しかし、再び卵の黄身は割れてしまい、奇妙な線を描きました・・・
「あれー?クレー、出来ないよ?」
クレーは悲しそうな声でいいました。
「もっとゆっくりやらないと」
そういってもう一度、卵を割って見せます。
コメント さくらせみ : じーっと見ていたクレーは、
「わかった!」
とそういってもう一つ卵を手に取って再び軽く卵にひびをいれた後、慎重にゆっくりと、卵を割りました。
今回は、ちゃんとまん丸の黄身が成功したよという風にきらきらと顔を覗かせています
「クレー、できたよ!!」
とクレーは誇らしげな、満面の笑みでアルベドを見上げました。
「よくやったね、クレー!さあ、あと5つやっておくれ。そうしたら火で焼くからね」
アルベドは彼女の頭をなでると、クレーはさらに嬉しそうに笑いました。
「クレーに任せて!」
クレーのおかげで、ボウルはすぐに*でいっぱいになりました。
アルベドはそれに塩と、それからクレーの知らない何かを混ぜ、火にかけました。
すごくいいにおいがしてきます!クレーはつま先立ちでフライパンを火にかけました。
ジュージューとクレーを誘う音がしています、もう待ちきれません!
さっきからおなかがグーグーなっています。
コメント さくらせみ : 「召し上がれ!」
アルベドは取り分けた卵焼きを3枚のお皿に載せて、テーブルの上に置きました。
クレーとアルベド、それからドドコの分です!
「ふふ~、すごーくいいにおい~!」
クレーはありがとうと言って、それをフォークで上手に切り取って、口の中に入れました。
それは旅人が作ってくれた卵焼きよりも美味しく感じました!そして、稲妻で岩夫と遊んだ楽しかった思い出のことを思い出しました。それくらい、今までで一番おいしかったのです!
「本当においしい…!アルベドお兄ちゃんは世界一の卵焼きを作る人だよ!」
アルベドはそんなクレーの頭を再びなでて、微笑みました。
「喜んでもらえてうれしいよ、クレー」
美味しそうに食べるクレー、でも少し疲れちゃったみたいです。
「クレー、もっと食べ...」言葉をさえぎるようにあくびが出ました。
「…てもいい?」
コメント さくらせみ : 「うん、でも後でにしようね、クレー。お休みの時間だよ」
アルベドはクレーを抱き上げて台所から連れ出しました。
「クレー、もっと食べたいな・・・」と言いながらまた大きくあくびをして、アルベドの肩にもたれました。そして、襟をそっとつかんで、
「アルベドお兄ちゃんの卵焼き、すごーくおいしいよ…ありがとう…」
と呟くように言いました。
アルベドの花とチョーク、それからちょっとの卵焼きの香りがクレーをやさしく眠りに誘います。
その日、クレーは巨大な卵焼きの夢を見ました。
夢の中でもクレーはアルベドといっしょに食事を楽しんでいました。
本当に、幸せな時間で、最高の夢でした。
それでもクレーはすぐに起きて本物の卵焼きを食べたかったみたいです。
Fin