Artist's commentary
Liella名画パロ「ラス・メニーナス」
リエラed衣装で名画パロディ「ラス・メニーナス」(ベラスケス作)
以下、絵画に基づく解説です。
『宮廷の様子を描いた作品』
まず目に映る中心の人物(可可)は齢5歳の幼い王女。そして彼女を2人の女官が取り囲んでいます。(すみれ、かのん)そして画家(夏美)が大きなキャンバスを前に筆を構え、こちらを見つめています。が、これは作者であるベラスケス自身で実は国王夫妻の肖像画を描いているところなのです。そう、この絵を見る私たちは国王夫妻の目線だったのです。(元絵では後ろの壁に鏡がありそこに国王夫妻が映っていることでその状況を演出している)
・アニメ第5話の大富豪から
リエラメンバーが大富豪で遊んでいるシーンがありましたね。順位は可可が大富豪ですみれ、かのんが貧民でした。王女と女官の関係性がそれっぽいのでこの配役です。左の女官のポーズが世話焼きっぽく、そして右の女官は脇役ながら構図の要になっていてセンターでもある(※後述)のも2人らしい要素と言えましょう。
・夏美が見ているものは?
この作品の大きな特徴の『画家が絵を描く対象はわれわれであり(国王夫妻)それが鏡に映っている』ということを夏美に当てはめてみました。夏美はLチューバーとしての活動をしていますがそれはお金目的でしたね。リエラの様子を撮影し始めたのもお金目的。リエラを見ているようで本当は視聴者(再生回数)を見ていて、もっと言うとお金しか見ていなかったのです。(5話時点)
この絵の一見画家が中心の王女とその他の人たちを描いていると思うところが、実はわれわれ鑑賞者(国王夫妻)を見ていたというところに似るところがありますね。
当初の案としては、さらに鏡に映るわれわれの姿をマニーの象徴とするもの(夏美の貯金箱とか?)で描き、「もっと言うとお金しか見ていない」ということを表現しようと思ってましたがやめました。6話以降のスクールアイドルとしての目線だとわれわれのことを金づるではなくファンとして見てくれると感じたからです。われわれをファンの姿として映すとしたら、それはペンライトが織りなす光の景色だ!ということで元絵の鏡の部分をメンバーカラーのストライプにしました。この心境の変化にイラスト描くことで自分は一層ぐっと来ましたね…。
※メンバーカラーの色順はこの絵の立ち位置のまんまです。そしたらオレンジが真ん中ですよ!?さすがとしか言いようがない
・ちぃちゃん
1人だけ奥でこちらを見ている人がいますね。ちょこんとしていますがめちゃくちゃ重要なポジションを担っています。このイラストではトリミングしていて分からないかもしれませんが元絵では天井まで描かれていて、この絵の消失点はこの人に向っています。そう、見る人は視線を動かされこの絵の奥行きを感じさせます。この縁の下の力持ちみたいな役はやっぱりちぃちゃんです。リエラを俯瞰して見て、それぞれの個人と全体を気にかけていてほしいです。4話で彼女が部長に立候補したときは感慨深くてやばかったです。
・恋きな子チビ
ここからは強い理由もなくなんとなくで配役しました。
元絵に犬がいるのでチビを、その周りに飼い主の恋ちゃんと動物と話せるきな子ちゃんを配役しました。凛としている方を恋ちゃんで動作がある方をきな子ちゃんに。元絵では一番右の小柄の人が犬をいじめて(蹴って)遊んでいるという闇のある設定ですが座ることで回避できてよかった。
・しきメイ
安定の公式カプのお2人です。動作がある方をメイ、すんとしている方をしきにしました。ただ元絵では左の人が右の人に何かを訴えていて、右の人はそれを無視して虚空を見つめる感じです。全体的に、元絵から体格が変わってもなるべくそのまま再現を試みましたが、ここの部分だけ逆にしました。しきがメイを見つめ、メイは視線が合わない…。はよくっつけぃ
以上で解説終わりです。長文にお付き合いいただきありがとうございました。
小ネタですけど後ろの見切れた絵画と、夏美が持つパレットも注目してみてね。