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Artist's commentary
オナカスイタ。
――なぜだ。走りながら彼は自らに問うた。いつもの場所。いつもの自分。いつもの彼女―――だと思っていた。
彼女は『いつもの』ではなかった。――いや、正確には、『いつもの』だと思っていた彼女は本来の彼女ではない。
『いつもの』がある意味『異常』であったのだ。ソレを忘れてのうのうと『いつもの異常』を享受していた事に気付いていなかった。
これが本来の、『いつもの』彼女。―――『妖怪』とよばれるソレ。人間を襲い、喰らうモノ―――。
彼はようやく気付いた。自分が『異常』を享受しているとき。彼女は腹が満たされていたのだ。
獣は満腹時、みだりに他の獲物を獲らない。妖怪もまた、獣と同じなのだ。
そして今。 ―――獣は空腹なのだ。
彼は気付いていなかった。彼女にとって、自分が『獲物』であったことに。『食べ物』であることに。
疲れ果て、もつれる足。躓く。転ぶ。乱れる呼吸。痛む身体。それでも彼は立ち上がろうとする。
視線を上げた先。
―――『いつもの』彼女が、いた。
愉悦に浮かぶ表情。それは嗜虐心からか、ようやく食事にありつけるからか。
彼の頭に言葉がよぎる。
それは『異常』に気付いていない自らを叱った父の言葉か。
それは『妖怪』と戯れていた事を諫めた母の言葉か。
それは―――。
―――(ああ、7日じゃないからか)―――
【Bad End】
///文才欲しいです。そしておなかすいた。 ///11/10DR212位あざ~すw