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Artist's commentary
日常
わたしが十歳になった年の、刈り入れの季節に、二年ぶりに“隊長さん”たちが村へとやってきた。
“隊長さん”たちはとても大きな人たちで、わたしたちを百人あわせてもきっとまだ足りないくらいに大きかった。
それに、肌は岩よりもがんじょうで、それなのにどんな鳥やけものよりもはやく、たかく、とおくまで飛ぶことができた。
…ふいに“隊長さん”が一言、村にいる人はだれもまねできないような、よくひびく声で言った。
『──…この地域にも、“回収船”がやって来る。』
あの大きな、大きな建物を食べてしまう、もっとずっと…それこそ空一面を覆うかいぶつが、またやって来る。
──いつものように、わたしたちはひっこしの準備を始める。
■メガストラクチャー的な気分転換中。何故か無駄に大きいものが大好きだったりします。
※次回から通常運行予定。
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