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Artist's commentary
103 わらっていてほしいから
あれから 10日ほどが経った。
「ふたりの事を 語り伝え これからも共に生き続ける」と誓った。
納得しているつもりだったけれど、やっぱり さびしい。
気が付くと ふたりを埋葬した場所へ訪れては、形見の刀と かんざしを眺め 上の空。
そんな子供たちの姿を見て ゴリランダーは 大いに心を痛めた。
実子のハポンも 毎日 その日出たウンコのデカさを報告してくれるのに この頃は黙りがちだ。
どんなに気持ちに整理をつけようとしても まだ子供、ふたりにもう一度会いたくて 仕方がないのだ。
そこで ゴリランダーとヤレユータンは つてを頼って とあるポケモンの協力を得ることにした。
呼び出された子供たちに紹介される エグめの個性をもったドーブル。名をオサムという。
よく分からないが そのオーラに 思わず子供たちの背筋が伸びた。
ゴリランダーはオブジェに掛けられた布を引く。
中から現れたのは…
子供たちの顔がみるみる 明るく輝きだす。
「わぁ!セイガイさんと アセビちゃんだ!」
「みて!ぼくたちもいる!」
驚きと喜び、一枚の絵が 胸にズシリと乗っかる悲しみを吹き飛ばした。
笑顔をとりもどした子供たちを見て、大人たちも ホッと救われた気持ちになった。