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Artist's commentary
91 闇討ち
明け方 陽が姿を見せ始めて間もない森に 大きなうめき声が響き渡った。
その声を聞きつけたメッソンたちや周辺に住むポケモンたちが 声の元に向かうと
ラグラージが大けがを負って 倒れ込んでいた!
このラグラージはメッソンたちが生活する池の顔役の一体で、かつてシザリガーの侵攻が
あった際も撃退のため 向かって来てくれていた。
その腕力と器量に ゴリランダーも一目置くポケモンである。
「誰にやられたッ!?」
仇討ちに逸るセイガイを落ち着かせ 応急処置を施すかたわら 事情を聞こうと試みる。
少し前のこと、風に当たりに上陸していた時 突然の攻撃にさらされた。
全力で抵抗したものの 為すすべもなく 一方的にやりこめられ 必死に逃げて来たという…。
相手の姿は暗がりで判然とせず、ゆらめくようなシルエットを憶えているのみであった。
救援に安堵したのもあり そこまで話した所でラグラージは気を失うように眠ってしまった。
「いったい 誰が何の目的で…」
“ ラグラージが狙われる ” これは日常 自然界で繰り広げられる捕食の争いとは次元が異なる。
にわかに現れた不気味な通り魔の存在に ボロたちは身をすくめる。
この日から 強く大きなポケモンが襲撃される 同様の事件がたて続いた。