「あたしの想い　持っていっておくれ」
「あっしの想いも、どうか忘れずに、ですぜ！」 片や天魔とは、仏道の修行を妨げるべく「役割」を与えられた者。 片や天殺星とは、天より地に罰を下すべく「役割」を与えられた者。 ひとがあるべき場所へと至るための道程の、その障害たるべく定められた２人。 そして、スズカとテツギュウはその宿業のままに暴れ、傷つき、やがてこの歌舞伎町へと流れ着いた。 この第２の故郷を不用意に荒らす輩に、両者は決して容赦はすまい。 しかし歌舞伎町アウトローズはこの東京における戦いが如何なる道を辿ろうと、その殆どの場合において分裂、そして自壊する。 何故ならば、東京の「機構」はその安定性を得るために「自分の写し姿の存在」を原則として許さない。 各世界より追われた者たちが落ち延びるべき閉鎖都市など、２つは不要であるからだ。 それでも「自分たちは、ここに居た」――その記憶を、２人は別なる追放者へと最期に託す。