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Artist's commentary
88 御恩と奉公
深手を負っていたグソクムシャのセイガイであったが、ものの数日で驚異的な回復をみせる。
しかし 記憶の方はいまだ定かならず、自分が何者であるのかを探し出すため ここを出る事を決めた。
出立の時、看護してくれたヤレユータンに礼をするセイガイ、そして見送るメッソンたち。
「セーガイの おいたん どこかいっちゃうの?」
短い間ではあったものの、武器の指南をつけてくれたセイガイとの別れに泣き出す末っ子。
「セイガイさんにも きっと帰りを待っている家族や仲間がいるはずだよ。
会いたい気持ちは末っ子ちゃんもよくわかっているだろう?」
ボロが優しく諭すも 末っ子は泣き止まない。
それを見ていたアママイコのアセビ、セイガイの元へダッシュするや 頭めがけて渾身のスピンアタック!
倒れ込む巨体、面食らう一同をよそにアセビは啖呵を切る。
「命を助けてもろうといて 元気になったら はい さいなら やなんて、ちょっと虫が良すぎやしまへんの?
お侍はんなら受けた恩はしっかり返すんが筋とちゃいます?」
凍りつくボロ達…しかし、セイガイの反応は以外なものだった。
「ぬうぅ〜…ん!そなたの言い分、はなはだもっとも!御恩は奉公で応えてこそ武士なり!」
いましばらくここに残り 皆のために働く事に決めた。
「わ〜い♪おいたん いてくれるんだね!」
さっそく末っ子の涙を止める 小さな奉公をやってのけた。