Artist's commentary
天秤は傾いた
「映姫様さぁ、なぞなぞとか得意?」
「え? ううん……どうでしょう」
「ものは試しだ。やってみようぜ」
「あ、はい」
「いままで私が口説いてきた女性の数は何人?」
「え?」
「何人?」
「え、ええと……ちょっと待ってください。いま浄玻璃の鏡で確認しますから」
「おっと、そいつはなしだぜ。これはなぞなぞなんだからな」
「ええ~? どうしよう……んーと、えーとえと……」
「天知る 地知る 我知る 人知る……」
「10人? 10人でどうですか――って、何やってるんですか!」
「四知だよ。当然、映姫様なら意味分かるよな?」
「誰も知るものがいないとはとんでもない。天が、地が、私が、君が、知っている――」
「そうだぜ。ということは、だ。四季映姫様々のスペルカードもみんな知ってる」
「――っ!? まさか、貴女!?」
「浄玻璃の鏡なんかなくたって、私には分かるのさ。すべてが、な!」
「くっ……! 審判【ラストジャッジ――!」
「審判【ラストジャッジメント】! ――なんつってな」
「……うぃ?」
「一回言ってみたかっただけだよ。さて、なぞなぞの答えだ。あいにくだが、
私は一人も口説いたことなんかないぜ。ヤマザナドゥともあろうお方が、10人とか言ってくれるなよ」
「す、すみません……」
「一応私、純な乙女なんだぜ。んじゃ、用事あるし帰るよ」
「あ、はい」
「余計なお世話だけどさ。浄玻璃の鏡があるから何でも見通せるとか思わず、ただ純粋に
映姫様の眼で物事を見て欲しかったんだ」
「魔理沙さん……」
「人間は愚かかもしれないけど、少しはいいところもあるんだぜ! んじゃな~!」
「……眼が曇っていた、か。ふふ、ヤマザナドゥともあろうものが、教えられちゃいましたね」
■此岸から様子を見ていた小町いわく、「奴は大変なものを(ry」だそうな。■最初の一文抜けてた^^;