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Artist's commentary
83 照魂樹の伝説
嵐から三日ほど経ったよく晴れた午後。
ボロたちの新居から 新たなエサ場までの道すがらに ひときわ巨大な枯れ木がそびえ立っている。
遊びに来ていたハポンが その大樹の事を教えてくれた。
「この樹は “照魂樹” って言って、とびっきりのハートにふれた時 満開の花を咲かせるんだって。
オイラも何度か魂を込めて打ったけど、ウンともスンともいわなくてさ。
父ちゃんがやっても反応はなかったんだよなぁ…でも この樹は死んではないんだぜ?
すっげー静かに、すっげーゆっくり息をしてる!」
植物の事になると 真面目で真摯になるハポンの解説を感心して聞き入るメッソンたち。
「どんな色の花が咲くのかな?もし 見る事ができたら とっても素敵ね♪」
ヘンナノは樹を見上げ 目を輝かせた。
本当に この樹が満開の花を咲かせたなら きっと一生 忘れない思い出になるだろうな、と
ボロは ぼんやり思うのだった。