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Artist's commentary
1628年 バルト海の女王
図説1628年 Swedish Warship Vasa スウェーデン戦列艦ヴァーサ
ヴァーサ朝スウェーデン グスタフ二世の時代に建造されたこの船は帆船を知るうえで非常に重要な船となっております。
そうである理由はズバリこの船が17世紀は前半(日本だと大坂の陣からそれほど経っていない)の古いものであるのに関わらず現存、展示されているということがあります、しかしその理由は悲しいものでした。
当時ヴァーサ朝ポーランドと戦争状態にあったヴァーサ朝スウェーデンは当時としては破格の排水量、重武装の戦列艦の建造を計画します、建造にあたっては当時海洋国家であったオランダから技師を招いていたようです。しかし計画に盛り込まれた重武装には無理があり、復元性に難のある船となってしまいました。
そして、多額の予算とヴァーサ朝の威信をかけて建造されたヴァーサは初航海の際にその復元性の低さから
バランスを崩し横転、沈没してしまいました。
20世紀に入りヴァーサが水温、酸素濃度が低いバルト海の底で驚くべき保存状態で沈んでいることが判明1961年に引き上げられ、その後ヴァーサ博物館に記念展示されるようになりました。
派手かつ独特な雰囲気の装飾が特徴的(人の顔がいっぱいで怖い)船首の人形はローマの皇帝たちらしいです。