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Artist's commentary
74 願い1個
ミッションはシンプルだ。ボロを宙づりにしている背後の袋を破壊する…!
キックコントロールに関しては バモラはかなりの自信があった。50メートル先に置いた
空き缶程度なら百発百中で当てる精度を誇る!
…しかしながら、現状 挑む環境は 普段のシュート練習の時とは違い過ぎる。
つかみどころなく縦横無尽に荒れ狂う風、それをふんだんに孕み無軌道に暴れる袋がターゲット。
少しでも読み間違えれば 大切な友達に弾が当たって大ケガをさせてしまう…!
失敗は許されない。ボロの頭を迂回する絶妙なカーブを打たなければならない。
緊張と不安がバモラの自信を削りに来る…つい 何かに頼りたくなる。
バモラは ふと自分の左足…利き足に巻かれたお守り、ミサンガに目をやる。
ワザの上達を祈願し、トレーナーから貰った物だった。
願いを叶えるお守り…そう聞いて バモラは数えきれない願いを込めた。ゆうに100個は
あったかもしれない。
バモラは考えを改める。そして静かに、嵐と対話するかのように目測を定める。
「おいしいものいっぱい食べたり、たくさんの女の子にモテたり、世界中を旅したり、
一番強いポケモンになったりとかは、ぜんぶキャンセルな!」
バモラは打つべきラインを捉え、助走をつけ 石ころめがけ左足を振りかぶる!
見守るメッソンたちは まばゆい光がバモラの内から放たれるのを見た。
「ねがいは1個だ!思ったとおりに 曲がってくれーーーーッ!!」