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Artist's commentary
73 凶風の磔刑
それは 人里から飛ばされてきたであろう スーパーマーケットの袋だった!
ボロの首に手さげの輪が引っかかり、めいっぱい暴風を蓄えたソレは 一瞬で末っ子を抱くボロを
上空へと連れ去ってしまった。
更に後方の樹の枝に引っかかり、宙吊り状態になってしまう。
「うわぁーーーッ!ボロくんが…末っ子ちゃんがぁーーーッ!」
何が起こったのか分からないメッソンたちはパニックになる。
「あたち ボロくんを たつけてくる!」
兄弟一 木登りが得意なメスのピューが救出に向かおうとするが ヘンナノが必死に止める。
地面スレスレのここでさえ 気を抜くと吹き飛ばされそうなコンディション…小さく軽いメッソンが
単身ボロの所へ向かっても 辿り着けず 空に巻き上げられるのは 目に見えていた。
「どうしよう…どうしよう…」
メッソンたちは ただただ狼狽え泣きわめくしかなかった。
そうこうしているうちに もがいていたボロの動きが小さくなっていく…!
暴風をはらむ袋の上昇と自らの体重による下への負荷が 首に集中し窒息しかけていた。
このままでは死んでしまう!しかし、この状態を切り抜けるため首に引っかかる物に
手をかける事は 末っ子を宙に放つ事を意味する。ボロにはそんな事は絶対にできなかった。
今 起きている危機のメカニズムを ただ一匹 把握できているポケモンがいた。
バモラだ!
バモラはTVでスカイダイビングを見たことがあり、いわゆるパラシュートの原理を知っていた。
この状況を打破する“肝”を理解できている彼は、ボロの背後で暴れる袋を破壊するため立ち上がる!
「みんな、お互いにしがみついて伏せてろ!ボロ君はオレが必ず助ける!!」