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Artist's commentary
夏の終わり。
「一発だけならおもいっきり殴っていいわよ。」
輝夜がぽつりと言った。
意味がわからなくて振り返ると「意外と泣いてないのね。」と言った。
「あんたを不死にしたのは私じゃないと今でも思ってるけど、今だけは我慢したげるわ。さぁ殴りなさい。」
「慰めてるつもりか?」
「えぇ。」
「…ありがとう」
私が笑うと輝夜は不思議そうに首をかしげた。
「何故泣いたり怒ったりしないの?」
今までに何度も泣いた。
私が泣き喚いたり、彼女がすすり泣いたり、二人で泣き明かした夜もあった。
境遇を嘆くのも、この身を恨むのも、二人ですべてやり終えた。
「…そういうのは、あいつが全部持っていってしまったんだ。」
「じゃぁ、何が残っているの?」
「あいつとの思い出かな。」
見上げると高くなった空に白い煙がするすると登って行く。
なあ、そっちはいい天気かい?慧音。
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