Artist's commentary
始発駅出発ー
魔法の森には鉄道の廃線が何路線か伸びていて、深部に踏み込むには絶好の道標となっている。里との軽便線と繋がっている線路もあるのだが、列車を走らせてはくれない。「誰と何を乗せるんだい?」と言われればもっともだ。一度だけ、長さ3尺、重さ6貫ほどの切れ端みたいなレールを見つけて、苦労して香霖堂に持ち込んだことがあるが、只の鉄だと言われ安く買いたたかれてしまった。鋳出しにはブランド名だろう『カーネギー 1913』、結界が出来た直後あたりのだった。もっと重いものもあるが運べないしあの値段では苦労に見合わない。さて…今日は勝手に『東森線』と呼んでいる路線に『乗』って、深部へ茸集めに向かうことにした。おやつは途中の『人形館前駅』で途中下車して取る事にしよう。